ニュース 2020.08.02 英政府、ファーウェイ5G製品排除へ
イギリス政府は7月14日、中国通信機器最大手のファーウェイを次世代通信規格の5G通信網から2027年までに排除することを決定した。1月にはファーウェイ製品の限定的な採用を認める決定を下していたがここへ来て方針を転換した形だ。
アメリカは安全保障上のリスクを理由に以前からファーウェイを排除しており、同盟国にも5Gからの完全排除を求めていたがイギリスはこれに応じていなかった。
イギリス政府は2010年に同社と協力し、顧客が自社製品のリスクを評価できるサイバーセキュリティ評価センターを設立したり、2019年には英国内に5G研修センターを設立するなど関係を深めてきた。
これらの事情とともに、ファーウェイ排除に多額のコストもかかることから1月の時点では、顧客の個人情報などを扱う中核システムでは同社製品の使用を認めないが部分的に使用を認めると表明していた。
方針転換は米国のファーウェイ制裁強化が要因か
イギリスの態度が変わった要因としては、アメリカによるファーウェイへの制裁強化が存在するものと見られる。
また、新型コロナウイルスの感染拡大でイギリスは多くの感染者と死者を出しているとともに経済的な打撃も大きく、一連の中国政府による対応への反感の高まりから政治家からもファーウェイ排除を求める声が強まっていた。
英通信事業者最大手BTグループによる「3年以内にファーウェイ製品を完全排除すると多くの顧客が携帯電話を使えなくなる」などという指摘もあり、英政府は21年以降ファーウェイ製品の新たな導入を禁止し、27年までに5G通信網から全ての製品を排除するとした。
【関連リンク】
・英、27年までにファーウェイ製品完全排除 (日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61516760U0A710C2EA2000/
TEXT:セキュリティ通信 編集部
PHOTO:iStock