ニュース 2020.07.30 自動車メーカー3社におけるスマートフォンキーシステムのセキュリティ調査結果が明らかに
イギリスに本社を置き自動車技術の調査やコンサルティングを行う株式会社SBDジャパンは7月1日、中国仕様車に搭載されたスマートフォンキーシステムの機能やセキュリティ性をまとめたレポートを発行した。
スマートフォンキーシステムとは、キーの代わりにスマートフォンを活用して車両のドアロックやアンロック、エンジン始動を行うもので、最新システムではBLE(Bluetooth Low Energy)やNFC(Near Field Communication)といった近距離無線通信技術を通して直接車両と通信が行われている。
今回発表されたレポートは3車種のスマートフォンキーシステムのセキュリティ性の評価を行なったもので「BMW X5」のキー共有機能付きNFCシステム、「Roewe ERX5」のBLEシステム、「Weltmeister EX5」の BLEシステムが対象となった。
調査対象となった3車種(出展:SBDジャパン)
SBDジャパンでは、2019年にはテスラのBLEシステム、メルセデスベンツのNFCシステムの評価も実施しレポートを発行している。
BELシステムは便利だがセキュリティ面で懸念も
BELスマートフォンシステムは車から100メートル以上離れていてもユーザーが車両に近づいたり、車両に設置されているセンサを始動させることでアンロック認証が実行され、ユーザーはスマートフォンを出すことなく車のアンロックが可能だ。
ただし、通信範囲が非常に広く、NFCシステムと比較するとセキュリティ面が懸念される。
一方、NFCスマートフォンシステムはSuicaなどで馴染みのある「かざすタイプ」のキーである。通信範囲は10cm未満に設定されセキュリティのレベルは高いが、スマートフォンやカードをNFCリーダーにかざす必要があるため、利便性が低いと考えられる場合もある。
SBDジャパンでは、車のスマートフォンキーシステムの普及に伴って、提供する機能やその実装方法について慎重に検討することが今後ますます重要になってくるとしている。
【関連リンク】
・スマートフォンキーシステムの評価シリーズ 2020(SBD)
https://www.sbdautomotive.com/files/sbd/pdfs/sbdj/707-20_IB_J.pdf
TEXT:セキュリティ通信 編集部
PHOTO:iStock