ニュース 2020.07.11 TikTokによるクリップボードの読み取りをiOS14で警告
スマートフォン向けの動画共有サービスTikTok(ティックトック)が、端末のクリップボード(テキストをコピーした時に保存される場所)の内容を読み取っていることが明らかとなった。
アップルが6月23日に発表したばかりの「iOS14」では、さらなるプライバシー強化を打ち出しており、アプリがアクセスしたデータをユーザーに通知する機能がある。これによってiPhoneアプリTikTokがクリップボードを無断で読み取っていることが可視化されたのだ。
TikTokは中国発のアプリであることに加え、以前からセキュリティ問題が取り上げられることが多く、世間の論議を引き起こしていた。
今回の問題で最も危険性が高いのが、iPhoneやMac、iPad間でクリップボードを共有できる「ユニバーサルクリップボード」機能だ。ユーザーが仕事をしている合間にTikTokを起動すれば、パスワードや機密情報が書かれたメールなど他のデバイスにコピーした情報が全て読み取れてしまう危険性がある。
TikTokに限らずクリップボードにアクセスするアプリに注意を
この件についてTikTokを運営するバイトダンスは英メディアTelegraphに声明を発表。
同社のアプリはクリップボードからデータを収集してはおらず、繰り返し投稿されるスパムを検出するための機能によって引き起こされたものだと説明した。TikTokではスパム検出機能を削除した更新版をすでにApp Storeに提出済とのこと。
TikTokが今回問題になったが、TikTok以外にもクリップボードにアクセスしているアプリは存在するため注意が必要だ。iOS14によるプライバシー強化機能が、今後もプライバシー侵害を試みるアプリへの抑止力になることを期待したい。
【関連リンク】
・TikTok to stop snooping on users' clipboards after iPhone update shows app constantly reads copied text(The Telegraph)
https://www.telegraph.co.uk/technology/2020/06/25/tiktok-stop-snooping-users-clipboards-iphone-update-shows-app/
TEXT:セキュリティ通信 編集部
PHOTO:iStock
