ニュース 2020.07.06 「スマホで運転免許証」が実現可能に、日本提案の国際規格案が審議開始
経済産業省は6月22日、スマートフォンに運転免許証などの身分証明証機能を搭載する国際的な規格策定に対し、日本から提案した方式の国際標準化に向けた審議が始まったと発表した。
規格が定まり対応するモバイル機器が普及すれば、十分なセキュリティを確保しながら各種身分証明機能をダウンロードし、スマホを使った本人確認ができるようになる。
海外では身分証明機能をモバイル機器に持たせる取り組みが進みつつある。しかしモバイル機器にパスポートや運転免許証等の高精度な身分証明機能を搭載するには、複製・偽造・改ざん等を防止するため、国際的な仕組みが必要でICカードと同等以上のセキュリティ機能が求められる。
これまでに全体的な仕組みやデータの形式、身分証明書発行者や運用者のプロトコル(通信手順)などについて議論が進められてきた。
「セキュアエリアの信頼度に関する認証利用の仕組み」を日本が提案
今回身分証明書発行時に個人認証可能なモバイル機器でのセキュアエリア(OSが異常な動作をする時でも安全にデータを保存・処理できるように隔離された領域)が要件を満たし信頼できるかどうか確認するための仕組みの案が日本から提案された。
ISO(国際標準化機構)とIEC(国際電気標準会議)が設立した合同専門委員会が7月から本格的な議論を始め、2022年の標準化を目指すとしている。
将来この規格が成立し、対応するモバイル機器が普及すれば、「デジタル運転免許証」や「デジタルパスポート」が実現するだけでなく、これらのモバイル機器に搭載された身分証明証は常に最新の状態で保持することができるため、より精度の高い本人確認や資格確認が可能になるという。
【関連リンク】
・『スマホで身分証明』を実現する国際規格案の審議が始まります-モバイル機器での身分証明管理-(経済産業省)
https://www.meti.go.jp/press/2020/06/20200622003/20200622003.html
TEXT:セキュリティ通信 編集部
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