ニュース 2020.06.30 豪政府に高度なサイバー攻撃、中国が関与との見方も
オーストラリアのモリソン首相は6月19日の記者会見で、同国の政府機関や企業が国を基盤とする高度なサイバー攻撃を受けているとして国民に注意喚起を行ったほか、豪公共放送ABCは中国が背後にいるとの豪政府の見方を伝えた。
モリソン首相によると、政府全体に加え公共サービスを提供する機関や企業などもサイバー攻撃の対象になっているとのこと。「攻撃規模の大きさと性質から、国家を基盤とする高度なサイバー攻撃だと考えている」と述べた。
このような攻撃を行える国は多くないとしながらも、どの国が関与しているか公には特定しないとしている。一方、攻撃の成果については、個人情報の大きな流出も起きていないという。
新型コロナウイルス発生源の調査を求めてから豪中間の関係は悪化
豪中間は、オーストラリアがアメリカに同調し、新型コロナウイルスの発生源の調査を求めて以来両国関係が大きく悪化。
5月には豪産の牛肉の輸入を停止し、大麦に追加関税を課し、6月には豪州への旅行や留学の停止を中国市民に勧告した。これらの対応を受け、モリソン氏は中国の威圧には屈しないと述べていた。
今回のサイバー攻撃では、政府機関や民間企業のシステムに侵入し、関係者の個人情報や内部情報にアクセスすることなどが目的とみられている。
オーストラリアでは昨年2月にも連邦会議を標的としたサイバー攻撃が発生し、中国が関与しているとの見方が報じられた。
モリソン首相は今回、医療機関などの事業者にサイバー攻撃に対する防御策を見直すよう要求。そして今回この問題を指摘するのは、国民の不安をあおるためではなく、注意を呼び起こすためだとしている。
【関連リンク】
・豪の政府機関にサイバー攻撃 中国関与と現地報道 (日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60539550Z10C20A6EAF000/
・豪政府にサイバー攻撃 「中国が背後にいる」との見方も(朝日新聞DIGITAL)
https://www.asahi.com/articles/ASN6M5W00N6MUHBI00V.html
TEXT:セキュリティ通信 編集部
PHOTO:iStock
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