ニュース 2020.06.03 雇用調整助成金のオンライン申請が受付停止へ、他人の個人情報が見えるトラブル
厚生労働省は5月20日から運用を開始した雇用調整助成金のオンライン申請で、他人の個人情報が見られる状態になったとして受け付けを停止したことを発表した。
厚労省が調べたところ、本来は初回のユーザー登録時に個々に異なるIDを発行するはずが、同じタイミングでオンライン申請した人に同じIDが発行されたことで、先に登録した企業の担当者の名前や携帯電話番号、メールアドレスに加え、パスワードや給与情報も見られる状態になっていた可能性があるという。
新型コロナウイルスの影響で解雇となった労働者は5月21日時点、1万835人にのぼる。そのような状況で雇用調整助成金とは、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた労働者支援策の柱として、従業員の雇用を維持するために企業が労働者に支払った休業手当の一部を支援するもの。
4月1日から新型コロナウイルスの感染拡大に対する特別措置として、対象や支給額などを一時的に拡充している。
手続き簡素化のためのオンライン申請が復旧の目処立たず
申請にはこれまで、書類を窓口へ持参するか郵送するしか方法がなく、新たに導入されたオンライン申請だと4つのステップで完了すると手続きの簡単さを謳っていたが初日からトラブルに見舞われた形だ。
加藤厚生労働大臣はこの件について5月22日記者会見で「受け付けを開始した早々にこうした事態を招いたことは心からお詫び申し上げたい」とし、1日も早い再開に向けて開発した企業などと連携を取りながら全力を尽くすと述べている。
オンライン申請を延期し、開発業者と連携して原因の把握に努めるとしている。
最新の情報では6月5日(金)12:00からオンライン受付再開との事。
【関連リンク】
・雇用助成金のオンライン申請を停止 開始初日にトラブル(朝日新聞DIGITAL)
https://www.asahi.com/articles/ASN5N5VR4N5NULFA01F.html
・雇用調整助成金オンライン申請トラブル 復旧見通し立たず(NHK NEWS WEB)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200522/k10012440561000.html
・雇用調整助成金 新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例
(厚生労働省)https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07.html
TEXT:セキュリティ通信 編集部
PHOTO:iStock