ニュース 2020.05.30 ウイルス感染により日経新聞社員ら1万2514人分の個人情報流出
日本経済新聞社は5月12日、日経グループの従業員のパソコン1台がコンピューターウイルスに感染したことが原因でサイバー攻撃を受け、日本経済新聞社と一部のグループ会社・団体の役員・社員やOB、業務委託先社員らの個人情報1万2514人分が流出したと発表した。
流出した個人情報は氏名と所属、メールアドレスであり、取材で知り得た情報や読者・顧客データは流出しておらず、日本経済新聞社の新聞や電子版製作システムにも影響がないとしている。
日本経済新聞社によると5月8日に送られてきたフィッシングメールに添付されていたファイルを従業員が開いたことでマルウェアに感染。日経の社内端末にはマルウェア探知システムなどセキュリティ対策を施していたが、新種のウイルスだったため探知が遅れてしまったとのことだ。
日経やグループ会社の関係者になりすましたメールに注意
今回はマルウェア感染後に発生した異常な通信をシステムが探知したことで、個人情報の流出が発覚した。不審送信先は即座に遮断を行い、情報が悪用された事実は確認されていないが、同社では今後も継続して監視していくという。
日本経済新聞社は、日経やグループ会社の関係者になりすましたメールに注意するよう呼びかけると同時に、日経グループのセキュリティ対策をさらに強化し情報管理を徹底していきたいとしている。
現在新型コロナウイルス感染拡大の影響で在宅勤務になっている人も増加している状態であるが、そのような場合でも集中力を保ち、差出人や件名が不自然なメールの添付ファイルは開かず削除するなど注意が必要だ。
【関連リンク】
・サイバー攻撃による社員等の個人情報の流出について(日本経済新聞社)
https://www.nikkei.co.jp/nikkeiinfo/news/release_20200512_01.pdf
・日経にサイバー攻撃 社員ら1万2514人分の個人情報流出 (日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58987830S0A510C2CR8000/
・日経新聞 社員ら1万2000人余の情報流出 サイバー攻撃か(NHK NEWS WEB)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200512/k10012427331000.html
TEXT:セキュリティ通信 編集部
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