ニュース 2020.03.30 サイバー犯罪の検挙数が過去最大を記録
警視庁は3月5日、2019年に国内で発生した不正アクセス禁止法違反に関する検挙状況などを発表し、2019年に検挙されたサイバー犯罪の件数は9,519件と、前年比479件増で過去最多となることが判明した。
サイバー犯罪の検挙件数の推移(出典:警視庁)
検挙件数のうち、不正アクセス禁止法違反による検挙数は816件で、こちらは前年から252件の増加。その内訳を見ると「不正アクセス行為」による検挙が全体の9割を超える787件、222人であった。他人のパスワードを不正に取得したり、保管するなどして検挙されたのは29件、のべ21人となっている。
816件のうち、不正アクセスの手口としてはパスワードの設定・管理の甘さにつけ込んだ手口が最多の310件で39.5%にのぼる。また、検挙された年齢は、20歳〜29歳が一番多く93人(39.7%)だが、次いで14歳〜19歳の未成年が55人と23.5%を占める。
不正アクセスの認知件数も過去最多に
実際に認知された不正アクセス件数は2,960件で、前年と比較すると1,474件増加とこちらも過去最多であった。
不正アクセスを行なった後の行為としては、ネットバンキングによる不正送金が一番多く1,808件で61.1%。次いで、ネットショッピングでの不正購入(12.7%)、メールの盗み見などの情報の不正入手(11.1%)が後に続く。
また、ネットバンキングの不正送金被害にあった口座のうち、約56%はワンタイムパスワードを突破されていることが判明した。
一度限り有効なパスワードであるワンタイムパスワードは、ネットバンキングで広く普及している仕組みであるが、SMSやメールなどで、偽のサイトに誘導し、パスワードを盗む手口が増加しているという。
【関連リンク】
・不正アクセス行為の発生状況及びアクセス制御機能に関する技術の研究開発の状況(経済産業省)
https://www.meti.go.jp/press/2019/03/20200305003/20200305003-1.pdf
・平成30年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について(警視庁)https://www.npa.go.jp/publications/statistics/cybersecurity/data/H30_cyber_jousei.pdf
・ネットバンキングの「ワンタイムパス破り」 自衛策有効 (日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56430130V00C20A3CR8000/
TEXT:セキュリティ通信 編集部
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