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2019年は情報システムの障害が急増

ニュース 2020.03.16 2019年のシステム障害は過去最多、消費税増税などが影響

情報処理推進機構(IPA)は2月25日、2019年7月〜12月期の情報システムの障害状況を発表した。これはIPAが全国紙やWebメディアなどで報道された国内の情報システム障害情報を、半年ごとに取りまとめ公開しているものだ。

2019年7月〜12月に報道された情報システム障害の件数は89件。このうち、消費税増税に伴うシステム障害は29件であり、月平均は14.8件と高い水準になった。

また、2019年通年では122件に上り、月平均は10.2件で、2007年以降過去最多を記録した。

情報システムの障害発生件数の推移

情報システムの障害発生件数の推移(出典:IPA)

今回発表されたシステム障害の中で目立つのは、PayPayやQUICPayなど、ポイント還元キャンペーンなどで注目を集める新しいキャッシュレス決済サービスに関連する障害が9件、クラウドサービスをはじめとする共同利用型システムの障害が11件となっている。

その他に今期障害が多数発生した特別の事情は伺われず、障害急増の原因は不明という。

目立つのはキャッシュレス決済サービスや共同利用型のシステム障害

消費税増税に伴うシステム障害では、単に税率を8%から10%に引き上げるだけでなく、軽減税率やキャッシュレス決済によるポイント還元など、複雑な制度が同時に導入されたため、情報システムの改修も前回の増税時より複雑で規模も大きくなったとみている。

また、IPAはキャッシュレス決済に対し、まだ登場してから日が浅く、システムの可用性・信頼性に不安が残り、社会インフラとしては未成熟であるため、システム側での対策強化と併せて利用者側でも代替となる予備の決算手段を準備するなどの対策が必要だとしている。

共同利用型システムの障害については、8月にアマゾンのAWS、11月に日本マイクロソフトのOffice 365に障害が発生し多くの利用者に影響を与えた。さらに12月には、日本電子計算が自治体向けに提供するクラウドサービスに障害が発生し、多くの自治体や広域事務組合の業務に支障が出ている。

パブリッククラウドや共同利用サービスの利用は、今後も拡大することが見込まれるが、それと共に事故が発生した場合の社会的影響の拡大や深刻化も進むため、サービス提供者側にはシステムの信頼化を高め、可用性の向上への取り組みが求められる。

その一方「利用者側でも事故によるサービスの中断がどの程度の損失を招くのかを評価し、それを回避するためのコストとのトレードオフを吟味し対策を取る必要がある」とIPAでは解説を行っている。

【関連リンク】

・情報システムの障害状況 2019年後半データ(情報処理推進機構)
https://www.ipa.go.jp/files/000080333.pdf

TEXT:セキュリティ通信 編集部
PHOTO:iStock

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