ニュース 2019.12.27 フィッシングによるネットバンクでの不正送金が急増
悪質な詐欺グループにより、インターネットバンキングに不正アクセスをし、本人の気づかないうちに預金口座から送金がされているという被害が今年の夏以降急激に増加している。
一時期このような被害は落ち着いていたにも関わらず、9月の被害件数は436件、被害額は4億2600万円にも上り、前月比で約6倍の増加となったことが警視庁の発表によって明らかになった。
不正送金の発生件数(出典:警察庁)
金融機関を装った偽サイトで暗証番号を抜き取る手口が横行
増えているのは、金融機関を騙ったメールやショートメッセージ(SMS)で、口座を停止したなどと言って手続きを行うように誘導し、本物のサイトに似せて作ったフィッシングサイトからIDやパスワードを抜き取る方法だ。
フィッシングサイトは実際の金融機関のデザインと酷似している事例も多く、本物のサイトと思って入力された情報を用いてその口座から不正に送金が行われるという被害が相次いでいる。
警察庁によると、金融機関などがログイン時に認証を2段階で行うための「ワンタイムパスワード」を導入したことなどが功を奏して、ネットバンキングでの送金被害は2014年をピークに減少傾向にあったという。
しかし、最近になってワンタイムパスワードさえも抜き取る手法が生み出されたこともあって被害件数は再び増加傾向にある。
こうした被害に遭わないために、金融庁では心当たりのないSMS等は開かずに、インターネットバンキングなどのサイトへのアクセスには事前に登録したブックマークを使うなど注意を呼びかけている。
【関連リンク】
・インターネット・バンキングによる預金の不正送金事案が多発しています。(金融庁)
https://www.fsa.go.jp/ordinary/internet-bank_2.html
・フィッシングによるものとみられるインターネットバンキングに係る不正送金被害の急増について(注意喚起)(警察庁)
https://www.npa.go.jp/cyber/policy/caution1910.html
TEXT:セキュリティ通信 編集部
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