ニュース 2019.11.11 企業によるAI活用に倫理上の指針設ける動き
AIの活用が急速に社会に広がる中、AIの組み込まれた機械による誤作動、誤った判断による不当な差別などが懸念されており、こうした背景を踏まえたAI活用における倫理上の指針を設ける動きが始まっている。
富士通は今年の3月にAIを利用したサービス開発を行う際の倫理基準を設けており、9月には各分野の専門家を集めて第三者目線での評価を行うための「AI倫理外部委員会」を設立した。
富士通を筆頭に、IT企業ではこうした倫理指針を設ける動きが始まっていて、ソニーやNECなどもすでに規定を設けている他、これからそういった指針を設ける動きが多くの企業で見られている。
具体的な倫理指針について
今回の動きの中心となる富士通では、AIの安心・安全な利用に向けてAI倫理を含む価値観をまとめた「富士通グループAIコミットメント」を発表している。
具体的な内容としては、下記の5つの項目が盛り込まれており、同社グループではこれらを遵守してAI関連の技術やサービスの研究開発が行われるとのことだ。
1.AIによってお客様と社会に価値を提供します
2.人を中心に考えたAIを目指します
3.AIで持続可能な社会を目指します
4.人の意思決定を尊重し支援するAIを目指します
5.企業の社会的責任として、AIの透明性と説明責任を重視します
AIの活用については期待が大きい一方で不安感も広がっており、こうした企業による倫理指針策定の動きは今後も続いていくものと思われる。
【関連リンク】
・AIの安心・安全な利用に向けた「富士通グループAIコミットメント」を策定(FUJITSU)
https://pr.fujitsu.com/jp/news/2019/03/13-1.html
・AI活用 企業で倫理上の指針設ける動き(NHK NEWS WEB)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191021/k10012141291000.html
TEXT:セキュリティ通信 編集部
PHOTO:iStock