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冬季に多発する悪質通販サイトに注意

ニュース 2018.12.11 「商品が届かない」「偽物が届いた」――冬季に多発する悪質通販サイトに注意

「いつまでたっても商品が届かない」「偽物が届いた」「事業者に連絡しても返事がない」――通販サイトを利用した人からこのような相談が寄せられているとして、国民生活センターが注意を呼びかけている。こうしたトラブルは11月から1月に集中して発生する傾向があるという。

被害にあった人の事例

 20歳代の男性は、SNS上の広告で見つけた通販サイトで、ダウンジャケットをクレジットカードで購入。「在庫処分80%オフ」とあったが、サイト内がしっかりしたつくりになっていたので迷わず購入した。商品が到着しないので連絡をとろうとしたところ、サイト内に連絡先が見つからなかったという。

 40歳代の男性は、SNS上の広告を見て、大幅に割引きされているダウンジャケットを代金引換で購入。届いた商品を確認したところ、明らかな偽物だった。すぐに事業者に電話をかけたがつながらず、メールを送っても返信がなかった。

 50歳代の女性は広告メールを見て、有名ブランドの公式サイトと書かれていた通販サイトで、カード払いでブーツを購入。粗悪な模倣品が届いたので、事業者に返金してほしいとメールしたが返事はなかった。カード会社に連絡したところ、商品が届いているためどうにもできないとの回答だったという。

詐欺サイトが巧妙化、「自然な日本語」「割引率控えめ」のケースも

同センターによると、近年の詐欺・模倣品サイトは手口がより巧妙になっている。

 まず、以前の悪質サイトでは、サイト内の日本語の字体や文章表現がおかしいものが多くみられた。「送料無料!三日か五日届けます!」「休日か悪い天気に会ったとき、届けた日より2,3日遅れるの可能性になっています」といった具合だ。しかし近年は、簡単には見分けることができない詐欺・模倣品サイトが多くなっている。上記の20歳代男性の事例でも、サイトはしっかりした作りだったという。

 また、以前はブランド品を大幅に割引しているサイトがほとんどだったが、近年は割引率を一定程度に抑えるサイトもみられるようになってきた。「大幅な割引」をしないことによって消費者を信頼させようとしている可能性があるという。

 支払い方法についてみると、以前はクレジットカードのほか、銀行振込みで支払わせるケースが多くあったが、警察や金融機関による口座凍結等の取組みにより銀行振込の割合は大きく減少した。その一方で、代金引換(代引き)で支払わせるケースがみられるようになってきたという。上記の40歳代男性のケースが該当する。

トラブルにあわないためのチェックポイント

国民生活センターでは、詐欺・模倣品トラブルにあわないためのチェックポイントとして以下の4つを挙げ、少しでも不安を感じた場合は購入を控えるようにと呼びかけている。

チェックポイント1

サイト内の情報を確認する。

  1. 日本語の字体・文章表現がおかしい。
  2. 販売価格が大幅に割引されている。
  3. 事業者の住所の記載がない。または、住所の記載はあるが、場所を調べてみるとおかしい。
  4. 事業者への連絡方法が、問い合わせフォームやフリーメールだけになっている。
  5. 支払方法が銀行振込のみになっている。
  6. 利用規約等におかしな記載・不当な記載がある。
  7. サイト内のリンクが適切に機能しない。
  8. サイトURLの表記がおかしい。
  9. サイト内の個人情報等を入力する画面にSSL(情報を暗号化した通信方法)が導入されていない。

チェックポイント2

サーバー情報を調べられるサイトで、当該サイト・サーバーの情報を確認する。

チェックポイント3

インターネット上の当該サイトに関するトラブル情報を確認する。

チェックポイント4

当該サイトの運営事業者へ事前に問い合わせを行い、返信内容等を確認する。(返信がない、日本語の字体・文章表現がおかしい など)

「チェックポイント1」のうち、事業者の住所については、一見存在するように見えても、記載されている番地が存在しない例が多くみられるという。たとえば「東京都渋谷区恵比寿南3丁目2番1号」だ。「3丁目2番」までは存在するが、「3丁目2番1号」という住所は存在しない。

 また同センターでは、当該サイトのトラブル情報を確認する際に(チェックポイント3)、「www.xxxx.com(サイトURL)+scamまたはfraud」と検索することも勧めている。scam、fraudともに詐欺を表している。情報が英語で書かれていた場合は、機械翻訳などでもおおよそ評価の良し悪しがわかるとしている。

 このほかの方法として当編集部がおすすめしたいのは、運営者情報を確認して実際に電話をかけてみることだ。その際、こちらから番号非通知で電話をしても出るか、相手から正しく名乗るか、こちらの質問に的確に答えられるかの3点をチェックするとよい。電話番号が記載されていない場合は、その通販サイトを利用してはいけない。

トラブルにあってしまったら

同センターは、詐欺・模倣品トラブルにあってしまった場合は、すぐに最寄りの消費生活センター等に相談してほしいとしている。消費者ホットライン(電話番号「188」番)に電話すると最寄りの市町村や都道府県の消費生活センター等を案内してもらえる。

 海外事業者とのトラブルの場合は、国民生活センター越境消費者センター(CCJ)でも相談を受け付けている。Webフォームから相談できる。

【関連URL:国民生活センター】
・冬物の「衣服・履物」の詐欺・模倣品サイトに注意!-トラブルが冬季に集中して発生-
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20181023_1.html
・報告書本文[PDF]
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20181023_1.pdf
・悪質な通販サイトにご注意!
https://www.ccj.kokusen.go.jp/aksht_check
・海外サイト・海外旅行でのショッピングでトラブルにあわないために
https://www.ccj.kokusen.go.jp/kimn_trbr_kih
・国民生活センター越境消費者センター(CCJ)
https://www.ccj.kokusen.go.jp/home

【関連記事:セキュリティ通信】
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TEXT:現代フォーラム

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